【女性専用車両 まとめ】フェミニズムとジェンダーの違いとは?
今回は、社会問題や社会学的なことを書こうと思ったのですが、
[女性専用車両]問題について書き残していたことがあったので、それを書いていこうと思います。
1. 前回のあらすじ
前回のあらすじから入ります。
まず、ジェンダー理論の基準で言えば、女性専用車両は本来「男性差別」です。
その辺の経緯については
agonarisannotou.hatenablog.com
に書きました。
これは、ジェンダー論が抱えた矛盾だと言えるでしょう。
この辺りの経緯については後述します。
※ただし、フェミニズムには様々な流派があるため、一概にはこのように言えないかもしれません。
2. 女性専用車両は女性差別?
多くの場合、女性専用車両は「男性差別」とセットで語られるのですが、
女性専用車両は「女性差別」ではないか、という意見もあります(前回の記事でもコメントを頂きました)。
「女性を隔離するんだから女性差別じゃないの?」というわけですね。
これに関しては、
本来の目的は痴漢の被害者(になりやすい人たち)を加害者(になりやすい人たち)から遠ざけることであって,女性を男性から隔離することではありません。(加藤秀一『はじめてのジェンダー論』)
(赤文字は引用者)
というのがジェンダー論的な答えです。
※これは「男性を危険視しているわけじゃないよ」という文脈で語られている箇所なのですが、
「女性専用車両は女性差別ではないか」という意見にも使えると思います。
3. 男性専用車両を作れば良い?
また、「男性専用車両を作れば良いのでは?」という意見も頂きました。
これに関しては、
とジェンダー論の教科書には書いてあるので、ジェンダー論では熱心に取り扱われていないようです。
しかし、
と述べます。
つまり、男性は男性で声をあげれば良いというわけですね。
4. フェミニズムとジェンダー論の違い
今回は女性専用車両に関する補足的な議論を通して、フェミニズムとジェンダー論の違いを少し紹介しました。
整理すると、
といった感じです。
さらに言えば、フェミニズムは「女性による女性のための学問・運動」といった感じで、例えば、
上野氏は「男性がフェミニストになるのは困難である」と率直に述べています。
ただし、フェミニズムは時代によって雰囲気が変わるので、今は違うかもしれません。
フェミニズムやジェンダーについては、今後も取り扱っていこうと思います。
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