母性は「幻想」で家事は「労働」だ、という主張について
「母性は幻想に過ぎず家事は労働だ!」という主張があるのですが、皆さんはどう思いますか?
主張しているのはフェミニスト、その中でも特に[マルクス主義フェミニズム]の人々です。
1. 「母性は幻想」説
まずは、
母性とは自分を後回しにして、わが子のために尽くそうとすること
と定義しましょう。
1-1. 二つの批判
上野千鶴子氏の発言を引用します。
「母性」とは子供の成長を自分の幸福と見なして献身と自己犠牲を女性に慫慂することを通じて女性が自分自身に対してはより控えめな要求しかしないようにするための、イデオロギー装置であった。(出典元:上野千鶴子『家父長制と資本制』)
(色文字は引用者)
「子どもの成長は自分の幸福だ」というのは多くの親が思うことです。
マルクス主義フェミニズムも、それに対して文句は言わないでしょう。
しかし、
- 他にやりたい事を犠牲にしてまで子育てをすること
- [母性]が本能として全ての人に備わっていること
この2つを否定するわけですね。
1-1-1. 男性優位社会の幻想
しかし、「いいえ、子育てこそが[自分の本当にやりたい事]なんです」と言う方もいるでしょう。
「実はそれは思い込まされているだけで、男性優位社会が作り出した幻想だ!」
と言うわけですね。
ここでなぜ「男性優位社会」が出てくるのかというと、「母性は家父長制が作り出したイデオロギー装置だから」です。
意味がよくわからない方は、とりあえず前回の記事をご覧ください。
agonarisannotou.hatenablog.com
1-1-2. 母性は本能ではない?
「母性は本能として全ての人に備わっているわけではない」という主張については、相次ぐ虐待のニュースを見ていると納得することだと思います。
しかし、「母性が備わっている人もいれば、備わっていない人もいる」という見方をしないのがマルクス主義フェミニズムの特徴です。
- 母性が備わっていない人がいるということは、母性は本能ではない
- ということは、社会が人々に植え付けた幻想だ
という見方をするわけです。
1-2. 友情や恋愛感情と変わらない?
ちなみに、エリザベット・バダンテールは、
人々が[母性]と思っているものは、子どもとの豊かな触れ合いの中で育まれる愛情に過ぎない
と主張します。
つまり、母性愛は友情や恋愛感情と変わらない愛情の一種で、特別なものではないというわけです。
2. ただ単に子育てしたくないだけ?
今回の話を聞いて、
- うんざりした人
- ホッとした人
- 嫌な感じがした人
- 「母性が幻想なら、多くの人が子育てをしなくなるのではないか」と思った人
いろいろ居ると思います。
また、「フェミニストがただ単に子育てをしたくないだけやろ」と思った方もいるでしょう。
このように、母性の話は賛否両論や怒号が飛び交うわけですね。
切りがいいので今回はこれで終わるのですが、もう一つの「家事は労働」説の方は、それほど荒れないかもしれません。
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