フェミニストは、なぜエッチなポスターに厳しいのか
[フェミニスト]と言えば、
- 女性の賃金や社会的な地位の低さを改善しようとする人
- ちょっとエッチなポスターなどに批判的な人
というイメージがあると思います。
しかし、この2つはよく考えると全くの別物で、戸惑う方も多いかもしれません。
ちなみに、1はリベラル・フェミニスト、2はラジカル・フェミニストと言います。
さらに、フェミニズムにはたくさんの流派があり、サーティワンアイスクリームのようになっているのですが、頑張って整理したいと思います。
1. フェミニズムの3つの意味
通常、フェミニズムは「第一期・第二期・第三期(そして、たぶん今は第四期)」というふうに、一連の流れとして紹介されるのですが、
フェミニズムには3つの意味、または活動があると考えた方がわかりやすいでしょう。
そして、3つの内どれかに関わっていれば[フェミニスト]を自称できると思います。
ただし、3はかなり特殊な人々です。
3は、現実の男女差別や男女の問題から離れて学者たちが難解な学術論争を繰り広げているようなものと捉えてください。
言うなれば、フェミニズムの番外編、スピンオフ作品、つまり、
人気海外ドラマシリーズ『CSI:科学捜査班』に対する『CSI:マイアミ』みたいな感じだと思えば良いでしょう。
しかし、精神分析や哲学のあの難解な感じが好きな方はハマるでしょう。
2. 男女平等と男尊女卑
もう一度繰り返すと、フェミニズムの3つの意味(活動)とは、
なのですが、名称的には、
もっといろいろな流派があるのですが、代表的なのはこの5つです。
その中でも基本になるのは、やはりリベラル・フェミニズムとラジカル・フェミニズムです。
2-1. リベラル・フェミニズムとは
リベラル・フェミニズムは婦人参政権や女子の教育機会など、女性の法的な権利の獲得のために運動してきた人々です。
いわば、法や制度上での男女平等を目指します。
2-2. ラジカル・フェミニズムとは
しかし、「形式的に男女平等になっても、人々の考え方が男尊女卑のままだったら意味がない」と言って現れたのがラジカル・フェミニズムです。
『フェミニズム入門』を書いている大越愛子氏によると、
未だ男性理論の優等生であるという自己陶酔に未練を残す先行世代(出典元:大越愛子『フェミニズム入門』)
(赤文字は引用者)
というのが先ほどのリベラル・フェミニズムで、それを乗り越えるために登場したのがラジカル・フェミニズムです。
先行世代に対してなかなか酷い言い草だとも思いますが、実際、両者は意見が合わないところがあります。
また、ラジカル・フェミニズムの主な主張は、
性暴力は(…)女性の魂と彼女の価値体系を破壊し、男性の優位性を女性に承認させる、支配の権力として発動する。(同上)
というものです。
3. ポルノ論争
この「性暴力」にはポルノグラフィー(性的な映像や写真など)も含まれます。
そこで有名な「ポルノ論争」が始まるのですが、
ラジカル・フェミニズムによれば、
ポルノが蔓延したら、女性への偏見が強まり、女性の雇用や教育や公共事業における機会が減少する
のだそうです。
一方、リベラル・フェミニズムは、
そんな極端な主張をすれば、女性全体が笑い者になる
と言って、別の意味で心配をしています。
両者がヒートアップしてきたところで、今回は急に終わらせていただこうと思います。
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