共産主義と男女平等の意外な関係について
今回は、
という、どちらの人にもタメになる、一粒で二度おいしい「グリコアーモンドチョコ」のような記事を書いていきます。
1. 実は女性に優しかった共産主義
[共産主義]と言えば、多くの人を弾圧した恐ろしい体制というイメージが強いのですが、思想的には、
- 資本家の搾取から労働者を解放する
- 男性中心社会から女性を解放する
というものでした。
そして、おそらく、共産主義に2の側面があったことはあまり知られていないのではないでしょうか。
2. フリードリヒ・エンゲルスとは?
共産主義の理論的支柱になったのは、カール・マルクスと、その盟友であるフリードリヒ・エンゲルスなのですが、
特にエンゲルスの方は、女性の権利の向上という観点から言っても重要な人物だったと言われています。
2-1. 男女差別は自然なこと?
エンゲルスやマルクスが生きた19世紀には、男女の不平等は自然なことだと思われていました。
難しい言い方をすれば、
19世紀を席捲したダーウィン主義によって、男女の不平等は生物学的必然とされていた
わけですね。
2-2.『家族・私有財産・国家の起源』
それに対して異を唱えたのがエンゲルスです。
エンゲルスは著書『家族・私有財産・国家の起源』の中で、このように書きます。
富が増大するのに比例して、この富は、一方では家族内で男性に女性よりも重要な地位を与え(…)男性は家のなかでも舵をにぎり、女性は品位を穢され、隷属されられて、男性の情欲の奴隷、子供を産む単なる道具となった。(出典元:フリードリヒ・エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』)
(赤文字は引用者)
要するに、エンゲルスの主張は、
男女の不平等は自然なことではなくて、文明が人工的に作り出したものだ
ということです。
ちなみに、歴史的とか考古学的に言えば、
新石器時代の中期(紀元前6000年頃)に様々な技術革新が起こった結果、
- 大規模な農業が可能になり、力仕事が増えた
- 職業軍人を養成できるようになり、戦争も増えた
そんなこんなで男性の必要性も増えたため、必然と男性の社会的地位も高まった
ってな感じです。
3. ラジ・フェミとマル・フェミへ
エンゲルスの思想の詳細は省略しますが、要するに、
資本主義を打倒して共産主義の社会を作れば女性への抑圧も解消されるはずだ!
というものでした。
結論から言えば、
共産主義国家のソ連や中国でも男女の不平等は根強かったので、エンゲルスの予測はハズレたと言えます。
しかし、
エンゲルスらの思想は「男女の不平等は自然なことである」という風潮と真向から対峙する、当時の女性にとっては頼もしいものでした。
また、「男性の側から女性の権利向上を大々的に目指した」という点でも、非常に珍しいものでした。
彼らの運動は、ラジカル・フェミニズムやマルクス主義フェミニズムにつながるのですが、その話はまた今度します。
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