「性的暴行」と「性的搾取」と「性的虐待」の違いについて
今回は性的暴行(性暴力)という語りにくいテーマについて書いていくのですが、
まずは[性的暴行][性的搾取][性的虐待]の違いについてまとめます。
1. 性的虐待とは
性的虐待の定義に関しては、森田ゆり氏の著作『子どもへの性的虐待』を参考にさせていただきます。
1-1. 十八歳未満が対象
まず、前提として、性的虐待は「18歳未満の子ども」に対する性的行為を指します。
1-2. 二種類の性的虐待
性的虐待には[性的暴行]と[性的搾取]の2種類あります。
1-2-1. 性的暴行(性暴力)とは
- レイプ、その他の性的行為の強要や誘導
- 意図的に性器や性交を見せる
なお、性器をさわる、さわらせるというのも「その他の性的行為」に分類されます。
1-2-2. 性的搾取とは
- ポルノグラフィ(性的な映像、絵)のモデルにする
- 人に見せるために性的行為をさせる
- 売春をさせる
1-2-3. 同意の有無
「性的行為の強要や誘導」とのことですが、一定の年齢に達していない場合(日本では13歳未満)は、
同意の上での性的行為も性的虐待とみなされます。
1-3. 保護者以外からの虐待
また、[性的虐待]と言えば、親(保護者)から子へのものを想像しがちですが、
性的虐待は保護者によるものよりも、教師、近所の人、親戚、兄弟など保護者以外の人からの加害のほうがはるかに多い。(出典元:森田ゆり『子どもへの性的虐待』)
(赤文字は引用者)
という事実も見逃せません。
なぜなら、
日本の法律(児童虐待の防止等に関する法律)では「保護者による虐待」しか虐待と想定していないからです。
2. フェミニズムにおける性的暴行
性的暴行(性暴力)について徹底的に考えたのがフェミニストの中でもラジカル・フェミニストと呼ばれる人たちです。
2-1. 四種類の性暴力
ラジカル・フェミニズムは、性暴力には4種類あると考えます。
- 直接的暴力→レイプ、性器を見せるなど
- 身体的暴力→レイプ等で性器を傷つける
- 儀礼的暴力→割礼、夜這い習慣など
- 間接的暴力→ポルノグラフィー、セクハラなど
言うまでもないですが、この4種類の性的暴行は子どもに対してだけではなく、大人に対して行われたものも含まれます。
2-2. 性暴力が男性支配につながる?
その他の重要なポイントを大越愛子氏の著作『フェミニズム入門』から引用します。
性暴力の頻発が示しているのは、全ての女性が潜在的な性暴力の被害者たりうるという可能性である。(出典元:大越愛子『フェミニズム入門』)
要するに、
ラジカル・フェミニズムが性暴力として想定しているのは、男性から女性への性暴力で、全ての女性がその脅威に晒されている
ということです。
他には、
性暴力は、決して個人的な欲望の爆発などではなく、男性支配と性差別を、自然であるかのごとく維持し続けていくために、社会の中へと構造化された暴力なのである。(出典元:同上)
要するに、
性暴力は加害者の性欲を満たすだけではなく、男性が女性を支配する社会を作ることにもつながっている
ということです。
そして、男性支配のために活用されているのがポルノグラフィーである
とのことですが、この「エッチなポスター陰謀論」については、別の機会に紹介しようと思います。
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