女性専用車両という「男性差別」が肯定される理由とは?
女性専用車両に反対すれば、
みたいな感じになると思います。
しかし、本来は、
[女性専用車両]は、
- 男性差別である
- にもかかわらず、ある理由で必要なものとされている
という形で議論を進めて行くべきだと思うので、そんな話をしていこうと思います。
1. フェミニズムとジェンダー理論
フェミニズムは「男性社会と闘って、女性の権利を獲得していく運動」みたいな感じなので、
フェミニストが女性専用車両に賛成するのはわからないでもないのですが、
にもかかわらず、ジェンダー理論は女性専用車両を肯定しているのが現状です。
1-1. ジェンダー・ステレオタイプとは
ジェンダー理論には[ジェンダー・ステレオタイプ]という重要な概念があります。
女はこういうもの、男はこういうものという決めつけのこと。もちろん、否定すべき偏見・差別。
例えば、「女性は科学者に向いていない」というのもジェンダー・ステレオタイプの一つなのですが、
この考え方は、ジェンダー理論では批判されています。
1-2. 女性専用車両は?
さて、女性専用車両が設置された理由は、
男性による痴漢などの性犯罪から女性を守るため
でした。
つまり、「男性=痴漢or痴漢予備軍」というジェンダー・ステレオタイプを全開させているわけです。
にもかかわらす、女性専用車両に賛成しているのには、それなりの理由があるはずなので、それを見ていきましょう。
2. 女性専用車両の賛成理由
参考にするのは、加藤秀一氏の著作『はじめてのジェンダー論』(有斐閣ストゥディア)です。
2-1. あくまで一時的なもの
この著作の中で加藤氏は、女性専用車両をいくつかの理由で肯定するのですが、まずは前提として、
- 本来は痴漢という犯罪自体を無くすことが望ましい
- 女性専用車両は痴漢を無くすことが出来るまでの、一時的な対症療法
と述べています。
2-2. 二つ目の理由
2つ目の賛成理由は、
本来の目的は痴漢の被害者(になりやすい人たち)を加害者(になりやすい人たち)から遠ざけることであって,女性を男性から隔離することではありません。(加藤秀一『はじめてのジェンダー論』)
(赤文字は引用者)
これは、正直、私にはよくわかりません。
「遠ざけること」と「隔離すること」は同じことなはずです。
2-3. 三つ目の理由
3つ目の賛成理由は、
女性たちに何かプラスをもたらしているわけではなく,せいぜい痴漢被害というマイナスを少しでも埋め合わせてゼロに戻そうとする補償的措置にすぎないのです(同上)
「[女性が痴漢に会わない=優遇]というわけではないんだから、男性諸君はいちいち文句を言うな」ということでしょう。
2-4. 四つ目の理由
4つ目の賛成理由は、
むしろ「優遇」されているのは,そもそも痴漢被害に遭う危険性が低い男性たちの方ではないでしょうか。(…)いわばこれまでの通勤電車はすべてが男性優先車両だった(同上)
さすがに、これは意味不明です。
論理的な事を言えば、
先ほど「女性を痴漢に会わせない事は優遇ではない」と言っておきながら、「痴漢に合わない男性は優遇されている」という主張は完全に破綻しています。
3. 最後に
今回は女性専用車両の賛成意見をまとめました。
ちなみに、反対意見については、
agonarisannotou.hatenablog.com
こちらにまとめました。
今回、私は女性専用車両に賛成すべきとも反対すべきとも言わないのですが、
女性専用車両のことは、よくわからないまま受け入れているという方が大半だと思うので、これらの記事が女性専用車両に対する理解に繋がればと思います。
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