「家父長制」という超陰謀論とエマ・ワトソンの憂鬱について
今回は9月23日に書いたビミョウな記事を大幅に加筆修正して、ちゃんと内容のある記事にしたものです。
ジャイアンツでそれまでくすぶっていたが、日ハムに来て覚醒した大田泰示みたいな感じの記事だと思ってください。
1. エマ・ワトソンの憂鬱
ハリーポッターシリーズのハーマイオニー役でも有名なエマ・ワトソンさんは、ある演説の中で、
「どうやらフェミニストである私は、表現が過激で、攻撃的で、孤立させるようで、男を嫌う魅力のない女性として分類されているようです」
と述べています。
確かに、フェミニズムは最初は「男女平等」を掲げていましたが、第二期になってからは「男性との闘い」を掲げるようになりました。
厳密に言うと、
この「闘い」は、ケイト・ミレットが[家父長制]という概念を提唱した辺りから始まりました。
2. 家父長制について
[家父長制]とは、様々な社会に見られる男性中心のイデオロギーです。
イデオロギーとは、支配者層がある体制を維持するためにつくり上げた常識
と思ってください。
2-1. もともとの意味
[家父長制]は、もともと人類学や社会学で使われていた言葉で、
- 家長である男性が権威を持ち、生産物の配分の仕方などを決める制度
- 封建社会などでよく見られる
このような意味を持っていました。
2-2. 社会を指す言葉へ
これに特殊な意味を持たせ、さらに「時代や場所を問わず様々な社会に見られる」と主張したのが、ケイト・ミレットです。
まず、ミレットは、「男性優位な家庭」というニュアンスだった家父長制を「男性優位な社会」という意味に拡張します。
そして、
家庭内だけではなく、教育・経済活動・政治活動といった様々な面で社会は男性優位につくられている
みたいな感じなことを言います。
さらに、「家父長制はイデオロギーだ」と主張しました。
2-3. 国家のイデオロギー装置とは
イデオロギーについて知るために、
ルイ・アルチュセールの「国家のイデオロギー装置」という概念を紹介しましょう。
イデオロギー装置とは、
教育、法律、メディアの情報(新聞やテレビなど)、文学、伝統文化、家族、学校、会社などの制度や組織のこと。
国家はこれらを通して、国民としての意識を私たちに徐々にすり込んでいきます。
この、「徐々にすり込んでいく」というのがポイントで、
「国民意識を持て!(# ゚Д゚) ピシッ,ピシッ」としばかれたわけでもないので、知らず知らずの内に、自然とイデオロギーに染まってしまうわけですね。
2-4. 「気付かぬ内」に男性を優遇している
ミレットは、このアルチュセールの理論に影響を受けたと思われます。
つまり、
男性社会は、教育、法律、メディア、文学、伝統文化、家族、学校、会社などを通して「男性は優位だ」と人々に刷り込んでいる
というわけです。
その結果、
- 男性は気付かぬ内に、女性を下に見るようになる
- 女性は「男性に追従しなければ生きていけない」と思い込むようになる
と主張します。
2-4-1. 男性に対して
よって、フェミニストは学校や職場や公共の場で、いかに男性が女性を無意識に抑圧しているかを告発するのですが、
そんな事を言われても、多くの男性は戸惑い反発してしまいます。
2-4-2. 女性に対して
さらに、フェミニストは「男性に媚びていると思われる女性」にも厳しい物言いをするようになります。
最近では、フェミニズムに味方をしない女性を「名誉男性」と呼ぶらしいのですが、
この頃も「家父長制イデオロギーに染まった女性」に厳しかったわけですね。
3. 最後に
エマ・ワトソンは「魅力のない女性」というふうに女性からも分類されることに落胆していたのですが、
フェミニズムは「男性との闘い」を掲げながら、女性に対しても厳しいところもあるので、けっこう複雑なわけです。
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