【悲しみを乗り越える】毒親問題、死刑廃止論etc…
先日紹介した[喪の仕事(モーニングワーク)]は毒親問題や死刑廃止論にも関わってくるということが最近判明したので、
今日はそのことをを伝えたいと思います。
1. 喪の仕事とは(復習)
提唱者のフロイトの定義では、
喪の仕事とは、失った対象を心から断念できるようにすること
でした。
ただし、[喪の仕事]という名前の通り、念頭に置かれているのは「親しい人が亡くなった時」です。
私たちは親しい人を亡くした時、現実逃避することなく十分に悲しがらないと精神に支障を来す可能性があります。
よって、喪の仕事をして心に余裕が生まれるようにしなければならないわけですね。
agonarisannotou.hatenablog.com
2. 毒親問題
毎度おなじみのスーザン・フォワードは、
喪の仕事は「幸せな家庭で育つ」という機会を失った悲しみを乗り越える際にも必要
と主張します。
2-1. 願望や幻想を捨てる
毒親のような愛情の希薄な、あるいは愛情の歪な親から育てられた場合、
その子どもは「毒親が変わって欲しいという願望」をいつまでも持ち続けてしまうようです。
他には、
- いつの日か自分の家が幸せな家庭になってほしい
- 親を変えるために何かできるのではないかという幻想
このような願望や幻想も子どもの頃から抱き続ける傾向があります。
しかし、これらは永久に叶わないとはっきりと自覚することが重要なようです。
これは深い悲しみが伴うため、喪の仕事のような長いプロセスが必要なわけですね。
2-2. 無難な距離をとる
ちなみに、この主張は毒親との絶縁を勧めているようにも解釈できますが、必ずしもそういうわけではなく、
自分にとって無難な距離を親に対して取るという感じです。
もっとも多くの人たちが選んだ方法は、その後は話をするにしても本当の気持ちを伝えることはもせず、当たり障りのない表面だけの関係とし、親と会う場合も状況を限定するというものだった。(出典元:スーザン・フォワード『毒になる親』)
(赤文字は引用者)
2-3. 責任をはっきりさせる
また、毒親との今後の関係性を考える上で重要なのは、
親が自分にした虐待は、自分に責任があるのではなく、親に責任があるということをはっきりさせることです。
毒親は十中八九このことを否定しますが、虐待を受けた子どもは自分に落ち度があったから酷い仕打ちを受けたと思う傾向があるため、
このことを自分自身に納得させることが必要なわけですね。
3. 死刑廃止論
言い換えれば、
喪の仕事は悲しみの原因を作った者の責任を問わなければスムーズに進まない
というふうにも解釈できるでしょう。
原因を作った者の責任をないがしろにすれば、その者に対する恨みに心を奪われて、充分に悲しむことができません。
例えば、日本で凶悪な犯罪や事故が起こった時、
- 日本の法律は犯罪者に甘い
- 被害者や遺族がいたたまれない
といって憤る方はたくさん居ます。
喪の仕事は、そのような「犯罪者は厳しく罰するべき」という主張の擁護にも使えるのではないでしょうか。
逆に、犯罪者の更生機会や死刑廃止論など話もありますが、その辺はややこしいので、いつかやれたらなと思います。
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