日本に0人~4000万人いる【愛着障害】という恐怖の病について
「親は子どもの人生にどのくらい影響を与えるのか」
は、多くの人が関心のあるテーマだと思いますが、愛着理論(愛着障害の理論)は、まさにそれを研究する分野です。
しかし、この[愛着障害]には、
- 岡田尊司氏が拡大解釈したもの
- 精神医学会が認定しているもの
の2種類があり、
世間で圧倒的に有名なのは1ですが、多くの精神科医に批判されているということはあまり知られていません。
今回は、その辺りの事を整理したいと思います。
1. 愛着障害の診断基準
DSM-5というさまざまな精神障害の世界共通の診断基準にのっている愛着障害は、反応性愛着障害と脱抑制型対人交流障害の2つです。
まずはこれらの診断基準をまとめます。
1-1. 反応性愛着障害の診断基準
- 養育者に対して、苦痛があっても訴えず、助けてもらっても喜ばない
- 他人と交流したがらない
- 養育者と一緒にいても落ち着かず、恐れを見せている
1-2. 脱抑制型対人交流障害の診断基準
- 見慣れない大人に、過度に馴れ馴れしい態度を見せる
- 不慣れな環境で養育者と離れても、養育者を全く気にしない
- 突発的な行動がみられる
1-3. 共通した特徴
以上が診断基準なのですが、2つには共通点があります。
1-3-1. 重度のネグレクトが原因
これらは幼児期の「重度のネグレクト」で生じます。
ネグレクトとは育児放棄のことですが、程度があります。
しかし、「重度」ということですから、
- おむつを替えることも、満足に食事を与えることもしない
- 子どもが泣いても全く無視する
などの、酷いレベルの育児放棄を指しているのでしょう。
1-3-2. 五歳までに発症
これらは5歳までの幼児が発症します。
つまり、愛着障害は本来は子ども(というか幼児)の障害なのです。
2. 広い意味での愛着障害とは
特徴的なところをまとめていきましょう。
2-1. 母親との間の問題
多くの精神科医は、愛着障害は「子どもと養育者」の間の問題として捉えます。
対して、
岡田氏は「子どもと母親」の間の問題として捉えます。
2-2. 原因は母親の愛情不足
もっと言うと「母親の愛情が不足していたから起る問題」として捉えます。
それでは、「愛情不足」とはどのような状態を指すのかと言うと、
十分なスキンシップとともに、母親が子どもの欲求を感じとる感受性をもち、それに速やかに応じる応答性を備えていること(岡田尊司『愛着障害』)
(赤文字は引用者)
これらが備わっていないと、愛情が不足してしまうようです。
2-3. 二歳がタイムリミット
しかも、母親は子どもが2歳になるまでに「十分な愛情」を与え、心の絆をつくらなければなりません。
生まれてから1歳半くらいから、せいぜい2歳までが、愛着が成立する上でのタイムリミットである。(岡田尊司『回避性愛着障害』)
ちなみに、この場合の「愛着」とは強い心の絆のことです。
よって、岡田氏の言う「広い意味での愛着障害」とは、
2歳になるまでに母親との間に強い心の絆ができなかったために生じる、様々な症状や支障のこと
と定義できるでしょう。
2-4. 症状は多岐にわたる
その症状や支障は、
- 他人と仲良くなれず孤立する
- うつや不安障害などの精神疾病
- 薬物やアルコールや性への依存症
- 恋愛・結婚が上手くできず、離婚もしやすい
- 健康や寿命にも影響
- ストレスを感じやすい
- いじめや非行や犯罪を起こしやすい
- ロリコンなどの性癖をもつ
など非常に多岐にわたります。
3. 最後に
岡田氏の言う「広い意味での愛着障害」には、もう一つ大きな特徴があって、
なんと、3人に1人の現代人、つまり、日本では4000万人もの人々がこれに該当するようなのです。
まあ、ぶっちゃけ、岡田氏の理論は、
という、非常に$くさいものなのですが、非常に重要な情報も含まれているので、次回以降も紹介していこうと思います。
ちなみに、愛着理論に関する著作も書いている工藤晋平氏は、
それぐらい精神病の診断や、親による影響を把握することは難しいわけですね。
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