不幸は「安全基地」が全て解決するというスーパー療法について
今回は「こんな変な心理学には気を付けて」という話をします。
これがいわゆる、岡田氏の愛着理論(愛着障害の理論)の概略なのですが、
まず、こういった「何か一つの出来事のみで全てが解決する」系の話には注意してください。
確かに、話としてはわかりやすいですけどね。
あと、もしかしたら、岡田氏の著作を読んだことのある方たちも、けっこう3は見落としているかもしれません。
なにはともあれ、岡田氏の愛着理論の紹介を少ししていきましょう。
1. 愛着障害とは
岡田氏によると、母親との間に強い心の絆をつくれなかった人は、
- 他人と仲良くなれない
- うつや不安障害などの精神疾病
- 薬物やアルコールや性への依存症
- 恋愛・結婚が上手くできず、離婚もしやすい
- 健康や寿命にも影響
- ストレスを感じやすい
- いじめや非行を起こす
- ロリコンなどの性癖をもつ
などのリスクを抱えるらしいです。
ちなみに、科学的根拠は不明ですが、とにかく、そうなるらしいです。
さて、これらの様々な症状や支障を[愛着障害]と呼びます。
愛着障害を治すには、[安全基地]と呼ばれる人を探さなければなりません。
[安全基地]については、
agonarisannotou.hatenablog.com
こちらの記事でも書いたのですが、まあ、要するに、
親(多くは母親)の代わりに、安心感を与えてくれる存在
というふうに捉えて下さい。
2. 愛着障害の治療法
愛着障害の治療に必要なのは、
- 安全基地
- 子ども時代をやり直すこと
この2つです。
[安全基地]を担う人物に、子どものように甘えるわけですね。
それでは、愛着障害の治療プロセスの詳細を見ていきましょう。
2-1.幼い子どもに戻る段階
まずは、[安全基地]を担う人に対し、
- 駄々をこねたり、わがままを言ったりして困らせる
- わざと無視をしたり反抗的になったりと、攻撃的になる
このように、幼い子どものような態度をとることで愛情を確かめる段階が訪れます。
2-2. 怒りや悲しみをぶつける段階
[安全基地]との信頼関係が出来上がった後は、[安全基地]に対し親への不満をぶつける段階が訪れます。
この段階では、傷つけられた怒りや悲しみを、恨みつらみを込めて叩きつけるように語り続ける。(岡田尊司『愛着障害』)
(赤文字は引用者)
この段階は支える側の[安全基地]も精神的にキツイ上に、どのくらいの期間続くのかも定かではありません。
しかし、それでも徹底的に付き合う必要があるようです。
否定的なことを一切言わず、丸ごと受け止めてくれる存在に、自分の身に起きたことを、味わってきた思いとともに語り尽くすことが重要なのである。(同上)
2-3. 過去との和解
心の膿を出し切ることで、スッキリして、愛着障害が治ります。
3. 注意
まだ重要な点があります。
冒頭でも書いた通り、なんと、
岡田氏は「[安全基地]には一部の精神科医くらいしかなれないから、多少金がかかるがカウンセリングを受けなさい」と言っているのです。
これに関しては、
「何、あからさまに利益誘導しとんねん(# ゚Д゚)」
とダウンタウンの浜ちゃんにツッコんでもらいたいのですが、
それだけではなく、岡田氏の愛着障害の考え方は多くの精神科医からも批判されているようです。
よって、岡田氏の著作を読んで「自分は愛着障害かも」と思っている方は、あまり気にする必要はないと思います。
※岡田氏の理論に対する批判は別の機会にやります。
それ以外の方々にも、
「本業よりも出版活動やメディア活動に精を出す系カウンセラー」は、基本的にうさんくさい
という教訓を持っていただけたらと思います。
※もちろん、岡田氏の著作には優れている部分も盛りだくさんです。
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