【性的虐待する親の特徴】なぜ、性暴力は問題化しにくい?
今回のテーマは「性的虐待をする親」についてです。
「性的虐待をする親」は毒親の中でも異質な者とされ、例えば水島広子氏は、自身の毒親本の中で、
虐待をする親のなかでも性的な行為をする親だけはあまりにも特殊で悪質度が高いため、本書で論じる「毒親」からは除外します。(出典元:水島広子『「毒親」の正体』)
(赤文字は引用者)
と述べています。それでは、どう特殊なのかを見ていきましょう。
1. なぜ性的虐待をするのか
「性的虐待」と言うと、親→子へのものを連想するのではないでしょうか。
しかし、
性的虐待は保護者によるものよりも、教師、近所の人、親戚、兄弟など保護者以外の人からの加害のほうがはるかに多い。(出典元:森田ゆり『子どもへの性的虐待』)
とのことなので、保護者以外の加害者からの性的な被害も「性的虐待」と明記していこうと思います。
さて、性的虐待をする人の特徴は、
- 子どもに性的魅力を覚える
- 子ども相手でしか性的満足を得られない
- 支配欲が強い
2は1の上位互換のようなものです。
この3つは全て当てはまらなければならないわけではなく、
例えば、子どもに性的魅力を特に感じていなくても、支配欲が強い場合、非力な子どもがターゲットになることもあります。
そして、この歪んだ支配欲は「性的虐待をする親」を知る上で重要なキーワードにもなるようです。
2. なぜ問題化されないのか
[毒になる親(毒親)]という言葉を作ったスーザン・フォワードは、
支配欲を満足させたいという動機が結果的に近親相姦につながるのであり、性欲を満足させたいからではない
と指摘しています。
さらに言えば、性的な意味でお気に入りの子どもではなく、純粋な従順な子どもが狙われやすいようです。
実際、統計調査によると、
加害者の多くは、子どもが自分の要求を拒否したり、大声を出したりすると、それだけで行為をやめる。特別の強い動機がない限り、加害者は抵抗する子ども、第三者に知られてしまうような行動に出る子どもをどこまでも追いかけることはまれである。(同上)
とのことです。
性的虐待は問題化しづらいと言いますが、そもそも加害者の側が問題化しなさそうな子どもを選んでいるわけですね。
さらに、この事は「抵抗しなかった」「本人も楽しんでいた」などの加害者側の弁明にもつながっています。
3. 性的虐待加害者の特徴
加害者は、このような性的行為を徐々にエスカレートさせていくようです。
- 手を握る
- 背中をさする
- 額にキスをする
などの行為をしていき、相手が拒否しないのを確認しながら、どんどんと性的な行為を発展させていくわけです。
しかも、大半は相手を脅しません。なぜなら、「大人である」ことだけで、身体的にも社会的にも威圧できるからです。
脅すとしても、恫喝するわけではなく、
- 騒いだらお母さんに嫌われるよ
- みんなが困るよ
など、目つきや声色を変えながら、少しずつ圧を加えます。
こうすることで、大声で騒いだり、ひどく怯えさせて周囲に異変を察知させないための工夫なのかもしれませんが、
これこそが性的虐待をする人間の特徴なのかもしれません。
つまり、
- 暴言や暴力をする度胸はないが、異常な支配欲を持っている
- 言葉巧みで洞察力もある
- いっぺんに快楽を求めるのではなく、周到に長い時間をかけて子どもを支配しようとする
このような卑劣で気持ちの悪い、まるでマムシのような人間だということです。
しかし、このように言うとマムシに失礼かもしれないので、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
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