【毒親の暴力】虐待の連鎖(暴力の連鎖)は本当にある?
今回のテーマは「親の暴力」です。
このテーマは「暴力ではなくしつけだ」とか「体罰はある程度は必要だ」などの議論にもつながります。
しかし、そこまで行くと話が複雑になるので、今回は「子どもに暴力を振う親の特徴」について書いていこうと思います。
1. 普通の親との違い
[毒になる親]という言葉を作ったスーザン・フォワードは、何でもかんでも親を責めるわけではなく、
子供が泣きやまなかったり、わけのわからぬことを言ってダダをこねたり、反抗した時などには、そういう(叩きたいような)気持ちになることがあっても無理はない。(スーザン・フォワード『毒になる親』)
と述べます。
しかし、問題ある親の場合は、
子供がそういう行動をしたからというより、その時の親自身の精神状態、例えば、疲れている、ストレスがたまっている、不安や心配事がある、または自分が幸福な人生を生きていない、などが原因であることのほうが多いのである。(同上)
(赤文字は引用者)
このように、自分の都合によって子どもを叩くかどうかを決めるのは問題でしょう。
また、多くの親は叩きたいという衝動を抑えられるのに対し、問題ある親は衝動を抑えられません。
そして、子どもに対する暴力が執拗に繰り返される場合、その親は[毒親]と呼ばれるようになります。
※ただし、暴力の酷さ次第では、たった数回でも子どもに多大な影響を与えるため、[毒親]と呼ばれます。
2. 暴力を振るう毒親の特徴
というわけで、暴力型の毒親の特徴をいくつか挙げましょう。
2-1. 衝動をコントロールできない
世の中には衝動をコントロールする能力が著しく低い人がいます。
ストレスに対してほぼ反射的に反応してしまうため、反射的に子どもに手を挙げるのです。
そのようなタイプの毒親は「Dタイプの親」の一種なのかもしれません。
(Dタイプの親については後日)
2-2. 子どもを所有物と捉える
先ほどの親は、子どもに対してだけではなく周囲のいろいろな人とトラブルになりがちなのですが、
中には、自分の子どもに対しては強気になる親もいます。
そのようなタイプの毒親は衝動をコントロールできない上に、子どもを自分の所有物だと思っているのでしょう。
2-3. 精神年齢が低い
精神的に成熟していない親が子どもに手を挙げることもあります。
そのようなタイプの毒親は「Sタイプの親」の一種なのかもしれません。
(Sタイプの親については後日)
2-4. アルコール依存症
agonarisannotou.hatenablog.com
2-5. 暴力の連鎖
自分自身も親から暴力を振るわれて育った人が、子どもに対しても暴力を振るうケースも多いと言われています(いわゆる「虐待の連鎖」)。
3. 虐待の連鎖は本当か?
ただし、この虐待の連鎖論については注意点があります。
「暴力を受けたながら育った子どもは、それを真似して、将来自分の子どもにも暴力を加える」というのが虐待の連鎖論
なのですが、
スーザン・フォワードによると、
近年の調査によると、多くの場合そのようなことはなく、それどころか体罰はおろか普通に叱ることもろくにできないケースすらあることがわかってきた。(同上)
とのことです。
まあ、普通に叱ることもできないのはむしろ問題なのでしょうが、
暴力的な毒親を反面教師にして、自分の子どもには愛情深く接することができるケースが多いことも確かなようです。