【毒親の影響】虐待は「脳」にダメージを与える?
前回は「子育て(育児)は子どもの人生にどの程度影響を及ぼすのか」について書いたのですが、これは一般的な家庭の話で、
虐待する親は子どもにネガティブな影響を多く与えると言われています。
今回は「虐待をする親、いわゆる[毒親]は子どもにどのような影響を与えるのか」について考えていきたいと思います。
1. 毒親の7分類
[毒になる親]という言葉を作ったスーザン・フォワードによる毒親の分類は、
- 神様のように恐ろしく、逆らえない親
- ネグレクトの親
- 過干渉な親
- アルコール依存症の親
- 暴言を吐く親
- 暴力をふるう親
- 性的な行為をする親
なのですが、
この内、5,6,7の親は子どもの脳にダメージを与える可能性があります。
※ただし、4. アルコール依存症の親はアルコールの影響で5,6,7の行為を伴うこともあります。
2. 虐待が脳に与える影響
そのようなことが言える理由は、
脳科学の発展により、虐待が発達中の脳に悪い影響を与えることがわかったからです。
2-1. 暴言が与える影響
暴言による虐待を受けると、脳の聴覚野の一部が肥大化する場合があります。
聴覚野はコミュニケーションに関わる部分で、他人の言葉を理解したり、会話したりする際に機能します。
ならば、この聴覚野が肥大化するのは良い事ではないか?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
なぜなら、聴覚野が肥大化すると、
人の話を聞き取ったり、会話をしたりするさいに、余計な負担が脳にかかってしまいます。そのせいで、心因性難聴となって情緒不安を起こしたり、人とかかわること自体を恐れるようになってしまうのです。(友田明美『子どもの脳を傷つける親たち』)
(赤文字は引用者)
2-2. 体罰が与える影響
体罰を受けると、脳の前頭前野の一部や右前帯状回が委縮する場合があります。
そして、
2-3. 性的虐待が与える影響
性的虐待を受けると、脳の視覚野が委縮する場合があります。
視覚野は「見る」という行為や、映像的な記憶の形成に関わります。
よって、視覚野の容量が小さい人ほど、視覚による記憶力も低くなるのですが、
性的虐待の被害者の脳は視覚野を小さくすることで、その辛い記憶を消去するように努めるということでしょう。
3. 友人関係も大事
毒親の影響は今まで「人格に大きな影響を及ぼす」など、漠然な言い方をされることが多かったのですが、
脳科学の発達により「どの虐待がどの能力に影響を及ぼすか」といった細かいことがわかってきました。
このような研究はまだ始まったばっかりなので、将来的にはネグレクトなどによる脳への影響も明らかになるかもしれません。
もう一つ、様々な研究や進化心理学の発達によりわかってきたことは、
子どもの人格形成や自己肯定感に強く影響するのは、親子関係よりも友人関係だということです。
もちろん、3. 過干渉な親や4. アルコール依存症の親は家庭の事情に子どもを強く縛り付ける傾向があります。
しかし、親子関係ばかりに焦点を当てる旧式の毒親論は、子どもにとって非常に重要な友人関係を見落としていることに注意しましょう。
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