もし虐待が冤罪だったら? ある家族の苦悩について
前回と同じ問題提起から始めます。
私のブログでは[虐待]や[毒親]の話をけっこうしているのですが、
この手の話には、
- 親を悪く言うのか
- 虐待の冤罪事件もある
という意見が付き物です。
今回はこの内、「虐待の冤罪事件」について掘り下げていこうと思います。
※昨日の記事では[免罪]と書いていましたが、[冤罪]の間違いでした。
1. 静岡で起こった性的虐待事件
私が今回、虐待の冤罪について書こうと思ったのは、2018年に静岡で起こったある事件がきっかけです。
1-1. 事件の概要
事の発端は18年4月10日、当時14歳だったAさんが教員に対して「父親に触られて嫌だ」と相談したことでした。
Aさんは即日浜松の児童相談所に保護され、父親への起訴、裁判と話は進み、父親へは19年3月29日に地裁で9年の実刑判決が下されました。
この事件の後味の悪いところは、父親が控訴の準備をしている最中に急死したことです(19年4月27日)。
1-2. 父親は無罪か?
Aさんの母親や兄弟は、父親の無罪を信じており、その根拠として例えば、
Aさんは「性行為を10回以上された」と供述したが、処女膜に損傷は見られなかった
などを挙げています。
他には、Aさんは友人関係のトラブルがきっかけで2017年に自殺未遂を起こしており、それ以来情緒不安定なところもあったようです。
「境界性パーソナリティー障害」を疑わせる様子もあったとのことですが、詳しいことはわかっていません。
1-3. 父娘の仲は?
また、Aさんと父親の様子はと言うと、非常に仲睦まじく、
中学一年生(おそらく、Aさんが自殺未遂を起こす)までは、Aさんの方から「パパ一緒にお風呂に入ろう」と言うこともあったそうです。
1-4. 突然の死と控訴取り下げ
しかし、裁判所は「実は、嫌々一緒に入っていた」というAさんの主張を認めたようで、これに対し、母親は、
Aさんを責めるわけではなく、父親の言い分を聞こうとしなかった児童相談所や裁判所に対する不満を語っている
わけなのですが、先ほども言った通り、
父親が亡くなったので控訴は取り下げられ、公式的には父親は娘に性的虐待をしたことになったようです。
ちなみに、Aさんの母親のものと思われるTwitterアカウントを見つけたのですが、今は凍結されており、その後の展開はわかっていません。
2. 性的虐待神話と冤罪可能性
もちろん、子どもに対する性的虐待は許し難いことです。
しかし、もし父親が冤罪だったらと思うと、あまりにいたたまれません。
よって、明確な結論を言うことはできないのですが、「性的虐待と冤罪」について少し補足しようと思います。
2-1. 性的虐待神話とは
精神的に不安定な者は性的虐待を受けたという誤った記憶を持ちやすい
と述べました。
さらに、フロイトは「幼児には近親相姦願望がある」とも述べたため、これらが合わさって、
※フロイトが述べたのは、あくまで精神的に不安定な者と幼児についてです。
2-2. カミングアウトできない風潮
これによって、子どもが性的虐待を訴えたり、子ども時代の性的虐待をカミングアウトすることが困難になってしまいました。
前回はセラピストや警察が、多くの嘘の虐待(性的虐待も含め)をでっち上げてしまった事件について書いたのですが、
agonarisannotou.hatenablog.com
逆に、「子どもの虐待に関する供述は信用できない」という風潮もまた危険なのです。
次回はこのことについて書いていこうと思います。
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