アルコール依存症の親がもたらす5つの悲劇とは?
[虐待]と言えば、過度な体罰や暴言や性暴力を、
そして[毒親]と言えば、そのような行為をする親をイメージされる方が多いと思いますが、
実は、子どもにとって、もっとも恐ろしいとされているのは「アルコール依存症の親」です。
今回は、この「アルコール依存症の親」について書いていきます。
1. 併発可能性
スーザン・フォワードの分類では、
- 神様のように恐ろしく、逆らえない親
- ネグレクトの親
- 過干渉な親
- アルコール依存症の親
- 暴言を吐く親
- 暴力をふるう親
- 性的な行為をする親
毒親は、この7タイプに分かれます。
アルコール依存症の親は頻繁に泥酔し、その際の判断力の低下により、様々なタイプの虐待行為をする可能性があります。
つまり、アルコール依存症の親は、他の様々なタイプの毒親の特徴を併せ持つ可能性があるわけですね。
これがアルコール依存症の親が恐ろしい理由の一つ目です。
2. 自己肯定感を大きく下げる
アルコール依存症は治すのが難しいという以前に、親がアルコール依存症であることを認めず、治療を受けたがらないケースも多くあります。
また、
アル中の者は飲まずにいられないのを他人や環境のせいにすることが多いのですが、それを子どものせいにする親もいます。
「毒親育ちの子どもは自己肯定感が低い」とよく言われるのですが、アルコール依存症の親は、まさにその原因を強く作るわけですね。
これが理由の二つ目です。
3. 家庭に縛り付ける
さらに、家族全体が、親がアルコール依存症であることを認めたがらないケースもあります。
家族全体が家族の中にアル中の者がいることを周りに隠している状態ですね。
子供にとって、家族についての取りつくろいを続けるのには、非常に大きなエネルギーを必要とする。その子供は、常に内心では身構えており、うっかり家族のことをバラしたらどうしようと恐れている。(スーザン・フォワード『毒になる親』)
(赤文字は引用者)
その結果、友だち関係が上手くいかず、ストレスがかかるはずの家庭にますます縛られてしまうこともあるのです。
これが理由の三つ目です。
4. もう片方の親との共依存関係
例えば、父親がアル中だった場合、母親がしっかりしていれば上手くいくのかと言うと、そうとは限りません。
一見、母親がしっかりしているように見えても、両親の間には共依存関係が芽生えていることもあります。
つまり、ダメな父親を支えることで精神的な満足感を得ているわけですね。
そうなってくると、
その家庭はアル中の父親を世話することを中心に回っていくので、子どもにはより大きなストレスがかかります。
これが理由の四つ目です。
5. 同情を誘う
アルコール依存症の親は、必ずしも体罰や暴言を繰り返す恐ろしい親だというわけではありません。
むしろ、
「かわいそうで、自分が助けなければならない」という気を子どもに起こさせることも多々あるようです。
このような、同情を誘うタイプの親は、子どもに対して、
- 「自分だけが幸せになってはいけない」と思わせる
- 健全な子ども時代を過ごさせず、家庭に縛り付ける
子どもは、友人や仲間たちからの影響を強く受けます。
家庭でうまくいかなくても、仲間たちや親以外の大人が強い支えになってくれたら大きく救われます。
これが理由の五つ目なのですが、
これは毒親の克服を考える上でも大きな問題となります。