教育熱心な親と過干渉な親の違いについて
今回は前回に引き続き[過干渉な親]について書いていきます。
過干渉な親には、
- 子どもは所有物だと思っている親
- 子どもと心理的に一体化している親
の2タイプあるのですが、
今回は典型的な1の親である「完全主義で支配的な親」を紹介します。
1. 完全主義で支配的な親の特徴
「完全主義で支配的な親」かどうかの判断基準は、実は結構あいまいです。
まずは特徴をいくつか挙げます。
- ステータスや世間体を重視する
- しばしば実現不可能な高い基準を設ける
- 子どもが完璧でないと気が済まない(粗探しばかりする)
- 粗雑さや不潔さを極度に忌み嫌っている
- 言動に強迫観念が含まれている
ここで、注目して頂きたいのは1です。
1-1. 教育熱心な親との違い
1くらいだったら、教育熱心な家庭も含まれてしまいそうですが、
臨床心理士のダン・ニューハースは、
「完全主義者の親」の多くは、美、地位、権力、お金などをほとんど宗教的といてよいほど崇拝します。(出典元:ダン・ニューハース『不幸にする親 人生を奪われる子供』)
(赤文字は引用者)
このように述べていることから、単なる教育熱心な親とは違う異様な雰囲気をかもし出していることがわかります。
地位や権力などのステータスを崇拝しているため、学歴や肩書も異常に必要としているのでしょう。
また、「完全主義で支配的な親」は子どもを自分の所有物だと考えます。
よって、「高い学歴の子どもを所有したい」という歪んだ支配欲をこのタイプの親は持っているのかもしれません。
1-2. 完璧さに憑りつかれている
1や2の基準までは少しわかりにくかったですが、
「3 子どもが完璧でないと気が済まない」までいくと、かなり問題ある親だと感じると思います。
もう一度、ダン・ニューハースの著作を引用すると、
子供の食事、睡眠、掃除、しゃべり方、その他すべてについて自分の基準を守らせようとして、子供に苦痛を強います。そういう親は、自分が置いたところに物がなかったりするとパニック状態になったり、逆上したりします。(同上)
このように、いわば完全さ完璧さに憑りつかれているわけですね。
また、ここまで完全主義をこじらせていくと、基本的に完璧さへの欲求が満たされることはありません。
その結果、子どもは際限なく苦しめられるのです。
2. 後遺症を残すわけではない
現在の毒親論は「子どもが毒親と思えば毒親」という風になっているので、毒親かどうかの判断は各自がせねばなりません。
よって、逆に一般的な親を叩きすぎる風潮を作ることに注意するべきでしょう。
しかし、「完全主義で支配的な親」に育てられた子どもは、「自分の親は、たぶん一般的な親とは違うな」と思いながら育ったと思います。
そのように感じた理由は、このタイプの親は、
ステータスへの崇拝や完璧さへのこだわりが強すぎて、子どもとの人間味ある接触を後回しにしてしまうからでしょう。
ですが、そのような親でも子どもへの愛情が全くないわけではないし、
暴言・暴力をしたり性的虐待をする毒親とは違い、脳へのダメージを与え、虐待の後遺症をのこすわけではないので、まだ救いがあると思います。
↓↓ 最近ブログ村に登録しました。よろしければ、クリックお願いします。