子どもにとって大事なのは、親?友だち?教育?
いきなり問題提起から入りますが、
しかし、フロイトの精神分析には大きな問題がります、という話を、良い感じの文字数で書いていきたいと思います。
1.私たちの3つの顔
まずは、例え話から入りましょう。
「田中太郎」という男性が居たとします。彼はサラリーマンで、所帯持ちです。その場合、田中太郎さんには、
- サラリーマンとしての顔
- 田中家の父親としての顔
- 田中太郎としての顔
の3つの顔があると言えますよね。
この内、
「サラリーマン」としてはイマイチでも、「田中太郎」としては人気者で職場での人望も厚く、家庭でも良い「父親」なのかもしれません。
このように私たちは、3つの顔によって生き、他人からも評価されているのです。
2. 社会の3つの領域
難しい言い方をすれば、私たちは社会の様々な領域に所属しています。
んで、先ほどの「3つ顔」と絡めると、
- サラリーマンとしての顔→【公的領域】における顔
- 田中家の父親としての顔→【家族領域】〃
- 田中太郎としての顔→【私的領域】〃
というふうに言い換えられます。
それぞれの意味は、
- 【公的領域】いろいろな属性の人々が共同体の一員として関わる場。
- 【家族領域】家庭内の事。家事や育児、家庭内の雑事をする場。
- 【私的領域】個人的な人間関係や趣味が営まれる場。
みたいな感じ。
1は一個人としてではなく、労働者や学生や庶民などの一人として行動する領域といった感じです。
この分類は意外と大事で、心理学や社会学といった、小難しい小憎たらしい学問を理解するうえでも重要になってきます。
3. 精神分析系の特徴
てなわけで、冒頭の話題に戻りましょう。
フロイトの精神分析を中心とした心理学は、「2. 家族関係」をやたらと強調します。
3-1. 特に愛着理論はすごい
例えば、精神分析から派生したものに、愛着理論(愛着障害の理論)がありますが、この理論は凄まじいです。
母親は、子どもの対人関係だけではなく、ストレス耐性や不安の感じ方、パートナーとの関係や子育て、健康や寿命に至るまで、生存に関わる影響を、それこそ生涯にわたって及ぼす。(岡田尊司『回避性愛着障害』)
このように、
母親との関係性によって、子どもの「公的領域における人間関係」や「私的領域における人間関係」は決まる
のだそうです。
3-2. 現代の科学では…
しかし、まあ、現代の科学では「親の育て方で子どもの人生は決まる」という考え方は否定されているし、
心理学でも「小学生頃から、友だちとの関係性が子どもの人格に与える影響力がどんどん大きくなっていく」という見方もあります。
でも、もしかしたら、カウンセラーは「親の育て方で子どもの人生は決まる」と言いたがるのかもしれません。
その方がわかりやすいですからね。
3-3. 岡田尊司『愛着障害』の読者へ
- 母親との関係性で人生はほぼ決まる
- 愛着障害の人は「安全基地」を探さなければならない
- 「安全基地」にはカウンセラーぐらいしかなれない
という、おっかない主張をしており、読者を震え上がらせているようですが、人生は親との関係性だけで決まるわけではないことは強調しておきましょう。
まあ、本来なら公的・家族・私的領域の話をもっとしたいのですが、良い感じの文字数になったので、ここらへんで強制終了します。
※愛着理論や愛着障害の話は、いずれまとめてしたいと思います。