福沢諭吉の意外な思想とは?自由に生きたいマンだった?
今回は「偉人伝」第2回ということで、福沢諭吉について書いていきます。
福沢諭吉は、皆さんご存知の通り「一万円札の肖像画の人」なので、国民の好感度はめちゃくちゃ高い人物だと思いますが、
その思想はあまり知られていないのではないでしょうか。
そこで今回は、福沢諭吉の思想を簡単に紹介しようと思います。
1. リベラルっぽい?
【福沢諭吉の思想の特徴】
- 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」という平等思想
- 「一身独立」というキーワード
- [数理]の重視
これらの特徴から福沢諭吉は、17世紀の西洋哲学者のような、バリバリのリベラルだと思われがちです。
[リベラル]というのは、
- 人間は皆、生まれながらに優れた知性をもっている
- 人間はあらゆるしがらみに邪魔されず、各個人の判断によって行動するのが望ましい
このような考え方をする人々のことです。
独立とは自分にて自分の身を支配し他によりすがる心なきを言う
(赤文字は引用者)
と述べています。
2. 自由の意味
このように書くと「福沢諭吉はしがらみを避け自由に生きたいマン」だと思われるかもしれません。
しかし、そもそも、福沢諭吉は[自由]の捉え方が、現代人とは異なるのです。
例えば、『学問のすすめ』の中で、
自由独立と言うときは、その字義の中におのずからまた義務の考えなかるべからず
と述べています。
つまり、
そもそも[自由]っていうのは、好き勝手に振る舞うことじゃなくて、義務も伴っているんだよ
というわけですね。
「権利と義務」を両方併せたものが[自由]ということでしょう。
3. 怨望って何?
それに、各個人が何のしがらみも持たず勝手気ままに行動したら、欲望渦巻く昼ドラみたいな世界になってしまいそうです。
そこで、福沢諭吉は「怨望を持つことはアカンよ」と述べます。
【怨望(えんぼう)とは】
うらんで不平をいだくこと。うらむこと。(精選版 日本国語大辞典)
ただ恨むだけではなく、「不平不満」や「ねたみ」といった感情も含まれているわけですね。
でも、まあ「うらみ」のカッコいい言い方だと思っていいでしょう。
野球で「ストレート」のことを「フォーシーム」と言うようなものです。
4. 人間交際とは
福沢諭吉が目指したのは、もっと健全な人間関係でした。「人間交際」という言葉を使ったりもしています。
およそ世に学問と言い、工業と言い、政治と言い、法律と言うも、みな人間交際のためにするものにて、人間の交際あらざればいずれも不用のものたるべし
「人間交際」というのは聞きなれない言葉ですが、社会だったり対人関係だったり、要するに、
学問も工業も政治も法律も誰か特定の人のためにあるわけではない
ということでしょう。
5. まとめ
今回は福沢諭吉の思想を紹介しましたが、意外と普通なことを言っていることがわかったと思います。
まあ、私が簡単にまとめ過ぎたという可能性もあるので、ツッコまれる前にドロンさせて頂こうと思います。