過干渉は「毒」なのか?「愛」なのか?
今回は久々に[過干渉な親]について書いていきます。
過干渉な親には、
- 子どもは所有物だと思っている親
- 子どもと心理的に一体化している親
の2タイプあるのですが、
今回は2の親を紹介します。
1.「子どもと心理的に一体化している親」の特徴
「子どもと心理的に一体化している親」の特徴をいくつか挙げます。
- プライベートなことをあれこれ詮索したがる
- 子どもにとって重要なことを勝手に決めてしまう
- 子どもの自立を妨げようとする
- 自分が望むことと子どもが望むことの区別がつかない
最大のポイントは自分の望みと子どもの望みの区別がつかない点です。
1-1. 自分が空になる感覚
そのような親の心理状態をスーザン・フォワードはこのように分析します。
子供が成長して独立し、家を出ていった後に、残された中高年の夫婦によく見られる精神不安定な状態を「巣立ち症候群」というが、コントロールしたがる親は子供がまだ幼いうちからこの症候群と似たような不健康な不安感を抱いている。(出典元:スーザン・フォワード『毒になる親』)
(赤文字は引用者)
このように、子どもと分離すれば自分が空になってしまうという感覚があるので、
子どもの生き方をコントロール(過干渉)してしまうようです。
1-2.思春期が境目
と言っても、多少の干渉を行わなければ子育てはできません。
どのような親でも、子供がひとり歩きできるようになるまでは何らかのコントロールが必要なのは当然のことだ。だがノーマルな家庭では、子供が思春期をむかえた少し後くらいからコントロールの程度を減少させる(出典元:同上)
対する、過干渉な親は思春期を迎えた後でも干渉の程度を弱めません。
実際、人間には「思春期を迎えたくらいの子どもに対する干渉を弱めるような本能」が備わっているそうです。
幼児に比べ、思春期以降の子は体の大きさや匂いが大人に近づくため、それを脳が感じ取り、あまり干渉しなくなります。
しかし、過干渉な親には何らかの理由でそのような本能が働かないようです。
2. 過干渉の事例
また、スーザン・フォワードやダン・ニューハースが[過干渉な親]と想定している親はかなり強烈です。
例えば、Aさんの場合、
- 自分の嫌いなものを子どもが食べていると、怒って無理やり自分の好きなものを食べさせようとする
- 子どもが論文を書いていると、それを取り上げて自分で書き直す
また、Bさんの場合、
- 留守の間に部屋に入って勝手に掃除をし、クローゼットの中身を点検する
- 仕事で地方に行く時などに「危ないから」という理由で、ついて来ようとする
そうは言っても、特にBさんの行動は「愛情たっぷりで子離れが出来ない親」的な笑い話として捉えられるかもしれません。
しかし、「子どもと心理的に一体化している」タイプの過干渉親の恐ろしさは、子どもに拒否された時にあらわになります。
3.毒なのか愛なのか
なかなか子離れが出来ない親も、子どもに拒否されたら、一応、子どもの意見を尊重するでしょう。
しかし、過干渉な親は子どもに拒否されたら、深く傷つき取り乱したり、逆に裏切られたと思い、口汚くののしったりします。
その結果、子どもは強い罪悪感を覚え、常に親に気を使うようになります。
ここまで来ると、過干渉は「愛」ではなくて「毒」だと言われても仕方がないでしょう。
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