心が傷つく時、脳も傷ついていた!
虐待はしてはいけません(当然です)。
では、何故してはいけないのかというと、「子どもの心が傷つくから」というのが一般的な答えなのでしょうが、
脳科学的には「子どもの脳が傷つくから」が答えらしいです。
[こころが]と言われるより[脳が]と言われた方が、なんだか生々しい気がしますよね。
今回は、そんな「虐待ー脳ーこころ」の関係について、皆さんと考えていきたいと思います。
1. 脳に注目することでわかった事
「虐待でこころが傷つく」ではなく「虐待で脳が傷つく」と、これからは言うようにしましょう。そうすることによって、
- 虐待の悪影響がより分かりやすくなる
- 虐待のトラウマからの回復の目途を立てやすくなる
というメリットがあります。
1-1. 虐待の種類と脳の部分
「虐待が子どものこころに悪影響を与える」と考えられていた時代は、まだ、その悪影響がどのようなものかがはっきりとはわかっていませんでした。
しかし、脳は部分によって機能が違うのですが、虐待の種類よって影響を受ける脳の部分が異なることがわかったのです。
1-2. 脳の部分と機能
どういうことかと言うと、こちらをご覧ください。
これは私の脳ミソのレントゲン写真なのですが、
そして、体罰で委縮します。
②は[視覚野]といって、映像的な記憶の形成に関わる部分です。
そして、性的虐待で委縮します。
このようなことが起こるわけですね。
※厳密には、前頭前野にはもっといろいろな部分や機能があり、体罰で委縮するのはほんの一部分です。
2. ストレスによる変形
先ほど、「脳が委縮する」とぶっそうな事を書きましたが、ただしくは「脳の成長が阻害される」というニュアンスです。
成長期の脳は強いストレスにさらされると、それになんとか耐えるために変形してしまいます。
その結果、様々な部分が委縮してしまうわけですね。
よって、「脳が傷つく」というのも、引っかき傷みたいなのがつくというわけではありません。
3. 脳の回復
また、「虐待によって脳が委縮する→様々な支障が出る」というのであれば、脳を正常な状態に回復することが出来れば、様々な問題も解決するはずです。
確かに、脳の回復は皮膚や消化器系の臓器の治療に比べてむずかしいと言われています。
まあ、この辺りの研究は始まったばかりらしいので、今後も成果が増えていくのではないでしょうか。
4. まとめ
今回の話は、友田明美氏の著作『子どもの脳を傷つける親たち』を参考にさせて頂きました。
この著作は内容盛りだくさんで、
- 著書名とは裏腹に、虐待をしてしまう親に対する配慮がある
- ネグレクトって結局何?
などの議論にも参考になるので、また言及したいと思います。
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