【気をつけて!】子どもを傷つける条件付きの愛情について
親の「条件付きの愛情」は子どもを苦しめると言われています。
しかし、
- 毒親の研究で有名なダン・ニューハースなどが想定する「条件付きの愛情」
- 多くのカウンセラーやネット記事などが想定する〃
これらは内容がかなり異なるようなので、これらを比較しながら、今回は「条件付きの愛情」について考えていきます。
1. ダン・ニューハースの毒親論
ダン・ニューハースの毒親論には、いろいろなタイプの毒親が登場するのですが、その中の一つに「条件付きの愛情」しか与えないタイプの毒親がいます。
1-1. 毒親の「条件付きの愛情」は強烈
このタイプの毒親は「親子関係の捉え方」自体に問題があります。
- 子どもは親を満足させなければならない
- 子どもは親に借りがある
このように、いわば、子どもを所有物のように捉えるわけですね。
このような毒親は、例えば、
- 子どもの交際相手が気に入らないと縁を切り、別れると親子の関係を戻す
- 気に入らない学校に子どもが進学すると実家の子ども部屋を壊す
などの暴挙にも出るようです。
1-2. 愛情はコントロールのための手段
もっと言うと、このタイプの毒親は、
子どもをコントロールする対象だと思っており、愛情はそのための手段くらいにしか思っていません。
1-3. 愛情を知らない人たち
さらに、ダン・ニューハースはこのタイプの毒親の特徴を3つを挙げます。
- もともと他人に対する愛情がない
- 感情が乱れていおり、他人のことを考える余裕がない
- 親密な関係を持つことに、居心地の悪さを覚える
このように、子どもに「条件付きの愛情」しか与えないタイプの毒親は、
もともと、愛情や情緒的な人間関係の大切さがわからないため、子どもにも冷淡になってしまうのです。
※ちなみに、子どもに愛情はあるものの、その愛がいびつで、自己中心的なタイプの毒親もいます。
2. よくある「条件付きの愛情」理論
以上のような毒親論を拡大解釈させて、多くの親子にも当てはまるようにしたのが、巷でよくある「条件付きの愛情」理論です。
まとめるとこんな感じです。
2-1. 愛情を交換条件にしちゃダメ
例えば、
- お片付けをしたら抱っこしてあげる
- テストで良い点を取ったらおもちゃを買ってあげる
などの交換条件は、
- 失敗すると親の愛情が無くなる恐怖
- 親に認めてもらえない不安
などに繋がります。
2-2. やがて子どもは…
そして、そのような恐怖や不安を与え続けられた子どもは、
- 自主性が育たない
- 他人に振り回されがちになる
というのが、巷でよくある「条件付きの愛情」理論の概要です。
3. まとめ
今回の内容を言い換えると、
- 毒親による「条件付きの愛情」
- まともな親による〃
これらは違うということなのですが、マズいのは1であって、2は別に危なくはありません。
例えば、
「テストで良い点を取ればおもちゃを買う親」に対して、子どもが抱くのはおもちゃを買ってもらえない不安であって、親に認めてもらえない不安ではないでしょう。
むしろ、毒親以外のふつうの親が気をつけるべきなのは、
味を占めた子どもが、おもちゃを買わないと勉強しなくなるリスクです。
話を戻すと、
「条件付きの愛情」が子どもを苦しめるとしたら【1. ダン・ニューハースの毒親論】で紹介したような、普段から子どもへの愛情が希薄な親の場合のみでしょう。
私たちは、むしろ、
- 親に厳しくすれば良い事を言った感を出せると思っている、昭和の姑のような育児書
- 全てを親のせいにすれば良い事を言った感を出せると思っている、インチキおじさん的カウンセリング
これらに気をつけるべきです。
それでは、「毒親から育てられた人はどうすれば良いのか」については、また日を改めて書こうと思います。