【毒親の基準】なぜ、あの親は「毒親」と呼ばれるのか
今回は[毒親]について書くのですが、
現在は毒親の基準があいまいになっているため、多くの家庭にとって無関係な話ではないと思います。
1. 元々の毒親の基準
[毒親]という言葉は、スーザン・フォワードの著作『毒になる親』に由来します。
そのスーザン・フォワードはどのような親を[毒親]だと想定していたのか、
まとめると、
- 子どもに対する問題ある行動が執拗に継続する
- その結果、子どもの人生を支配する
※ただし、暴力と性的虐待は一回きりでも大きな影響を与えることがある
2については、
- 過干渉によって直接的に行動を支配する
- トラウマや脳へのダメージを与えることによって、間接的に行動に影響を及ぼす
という2つのパターンがあります。
まあ、大まかに言えば、
子どもを深く傷つける行為を長期間くりかえし行う親
が毒親の元々の定義です。
2. 最近の毒親の基準
しかし、時がたつにつれ、毒親の定義はだんだんと緩くなっていきます。
2-1. 水島広子の場合
なぜ「毒親」などと呼ばれるのかと言うと、それは何らかの形でお子さんを振り回してきたから(出典元:水島広子『「毒親」の正体』)
確かに、水島氏の著作は参考になることが多いのですが、これは基準を下げ過ぎではないでしょうか。
2-2. 岡田尊司の場合
毒親のハードルをスネの高さくらいまで引き下げたのは、岡田尊司氏でしょう。
岡田氏によると、
母親は子どもが2歳になるまでに十分な愛情を注ぎ、強い心の絆をつくらなければなりません。
それに失敗した母親はかなり批判されてしまうわけですね。
ちなみに、岡田氏が「2歳」にこだわるのは、
- 「人生は幼児期の親子関係で決まる」という精神分析の影響
- 2歳頃から子どもは自由に歩き回る
からでしょう。
3. 基準をあいまいにすることの弊害
さて、ここまでは主に、
「毒親の基準が緩くなることによって親は子育てをしづらくなる」
という話でしたが、
こんなことをすれば、スーザン・フォワード的な基準での毒親(つまり、本当に酷い親)から育てられた人にも悪い影響が出る
という話もします。
3-1. 声を上げづらくなる
例えば、[アダルトチルドレン]は元々、虐待を受けた子どもの苦しみを理解するための言葉でした。
しかし、どんどん基準があいまいになり、しまいには「霊的な成長が出来ていない人」という主張まで出てきました。
その結果[アダルトチルドレン]は、うさん臭い言葉になってしまい、現在では死語になってしまったのです。
同じように、精神科医たちが、
かもしれません。
3-2. 無意識というパワーワード
基準をあいまいにすることは、親による子どもへの影響を過大視することにも繋がります。
そして、その結果、不安に陥り無気力な人間になってしまった場合、その原因を作ったのは、親と言うより精神科医の方じゃないでしょうか。
これは「無意識」という言葉を使った一種の脅しだと私は思います。
それに、「無意識」にも正しい定義があります。
※それについては、いずれブログに書きます。
4. 最後に
今回は【毒親について 第一回】ということで、「毒親の基準」という、大づかみなテーマから入っていきました。
毒親の基準自体はスーザン・フォワードによるものを使ってください。
それと、一部の精神科医の言説には警戒心を持っておいた方が良いと思います。
というわけで、次からは、もっと具体的なことを書いていこうと思います。