典型的な毒親 |「神様のような親」に注意!
前回も書いたように、[毒になる親]という言葉を作ったスーザン・フォワードは
- 神様のように恐ろしく、逆らえない親
- ネグレクトの親
- 過干渉な親
- アルコール依存症の親
- 暴言を吐く親
- 暴力をふるう親
- 性的な行為をする親
という7タイプに毒親を分類しました。
もっと細分化すれば毒親のタイプは増えるのですが、基本的にはこの7タイプだと思って良いでしょう。
さて、この7つですが、
2~7はどのような特徴を持った親なのか大体想像できますが、1. 神様のような親はわかりづらくないでしょうか。
実は、1. 神様のような親は他のすべての毒親の基礎になる、いわば「毒親のプロトタイプ」です。
今回は、この親について解説します。
1. 神様のような親の特徴
スーザン・フォワードが念頭に置いているのは「ギリシア神話における神々」のことで、その特徴は、
- 人間よりも圧倒的に強い
- 気に入らないことがあれば罰を下すが、なぜ怒っているかわからず、気まぐれに見える
ちなみに、言うまでもないかもしれませんが、スーザン・フォワードは、「毒親ー子ども」の関係を「神々ー人間」になぞらえています。
2. 毒親克服の第一歩
スーザン・フォワードが毒親を神々になぞらえたのには、まだ理由があります。
神様のような顔をしている「毒になる親」を天上から地上に引きずりおろし、彼らを自分と同じただの人間として現実的に見る勇気を持つことができた時、子供はひとりの人間として、はじめて親と対等な関係を持つための力を持つことができるのである。(スーザン・フォワード『毒になる親』)
(赤文字は引用者)
このように、
というわけですね。
私はブログで「親の育て方で人生がほぼ決まる」系の理論を批判しているのですが、
その理由の一つがこれです。
ところで、
親と子どもを「神々ー人間」の関係ではなく、対等な人間だと思えるようにする
というのは、
「毒親の克服」だけではなく、「健全な子育てにおける目標」だとも言えます。
3. 神様のような親にならないためには
ここでもう一度、
- 人間よりも圧倒的に強い
- 気に入らないことがあれば罰を下すが、なぜ怒っているかわからず、気まぐれに見える
について考えてみましょう。
3-1. 圧倒的な力の差
親と子は体格・経済力・語彙力などあらゆる面で差があります。
特に幼い子どもは、自分の親でも大人である以上、やはり怖い存在です。
毒親は、あえて自分が圧倒的に上な存在だと子どもにわからせるように行動します。
しかし、逆に言えば、
表情やしゃべり方や態度などに注意しなければ、予想以上に子どもに圧力をかけてしまう可能性もあるのです。
3-2. 気まぐれに怒り罰する
子どもが他人に向かって物を投げつけたとしたら、「相手を傷つけることになるから、そういうことはしてはいけない」と、道理を教えるのがしつけです。(友田明美『子どもの脳を傷つける親たち』)
(赤文字は引用者)
「何故ダメなのか」の理由を言わずに、「バカ」「ちゃんとやれ」などの言い方で批判をされたら、子どもは、
- 人格否定されたと思う
- 善し悪しの基準がわからず、親の顔色を常にうかがうようになる
そして、大きなストレスを抱えてしまうわけですね。
4. 最後に
くり返しますが、
親と子どもを「神々ー人間」の関係ではなく、対等な人間だと思えるようにする
というのは、
「健全な子育てにおける目標」であり、「毒親の克服」です。
もちろん、毒親の克服には複雑なプロセスがあるのですが、まずは第一歩として重要なことなのです。