松下幸之助(パナソニック創業者)のちょっとイイ話をするよ
今回は「松下幸之助のちょっとイイ話」をしつつも、途中でちょっと批判を入れたりもする、
そんなゴーヤチャンプルーのような記事を書いていきます。
1. 経歴について
まずはせっかくなので、松下幸之助の経歴をちょっとだけ書きます。
PHP研究所は、読書家の方ならピンと来ると思いますが、PHP文庫やPHP新書などを手掛ける出版社です。
私もこの赤い表紙(玉置浩二風に言ったらワインレッドの表紙)のPHP新書はけっこう買います。
松下政経塾は多くの政治家や経営者を輩出している私塾で、例えば、
野田佳彦(立民)高市早苗(自民)福山哲郎(立民)丸山穂高(N国)議員などが出身者としては有名でしょう。
2. 水道哲学とは
生産者の使命は貴重なる生活物質を、水道の水のごとく無尽蔵たらしめることである。いかに貴重なるものでも量を多くして、無代に等しい価格をもって提供することにある。かくしてこそ、貧は除かれていく。(松下幸之助『私の行き方 考え方』)
(赤文字は引用者)
ここには、9歳の頃から家のために働き、やがてパナソニックという世界的企業を一代で築き上げた貧困や苦労の経験が反映されているのでしょう。
3. 物心一如の繁栄とは
一方で、松下幸之助はこうも言っています。
人間には、この宇宙の動きに順応しつつ万物を支配する力が、その本性として与えられている。人間はたえず生成発展する宇宙に君臨し、宇宙にひそむ偉大なる力を開発し、万物に与えられたるそれぞれの本質を見出しながら、これを活かし活用することによって、物心一如の真の繁栄を生み出すことができるのである。(松下幸之助『人間を考える』)
※「物心一如の真の繁栄」とは、精神と物質がともに豊かになるということ。
この発言については、皆さんはどう感じるでしょうか。
ちなみに、西洋哲学では、
「人間が自然を支配し、活用する(道具化する)べきだ」という発想が、他民族への支配や自国民を支配する独裁につながった
と言われています。
4. まとめ
というわけで、今回は松下幸之助の、
- 水道哲学
- 物心一如の繁栄
という2つの思想を紹介しました。
4-1. ちょっと違和感
「偉大な経営者はこんなことを考えていたのか」と感心した人もいれば、
私のように、少し違和感というか不気味さを感じた人もいるでしょう。
それともう一つ補足させてください。
4-2. 資本主義と共産主義
水道哲学は資本主義とは完全に矛盾しています。
なぜなら、資本主義は「それほど欲しくないもの」を欲しいと思わせる、つまり、人々の物欲をかき立てることで成り立っているからです。
よって、水道哲学が実現されるかどうかは「人々の物欲を消せるかどうか」にかかっていると言えるでしょう。
共産主義は「モノの供給量をコントロールする体制」と思われがちですが、
おそらく、後期のレーニンや古代の共産主義は「人々の物欲をコントロールする体制」を目指していたと思われます。
・・・という話は長くなりそうなので、この辺りでドロンさせてもらいます。