「自分」も「他人」も責め過ぎないようにする思考方法
「自分」や「他人」を責め過ぎてはいけない理由は、たぶん5000個くらいあって、全部書こうとすると腱鞘炎になってしまうので、
とっておきの理由を一つだけ書くと、
自分や他人を責め過ぎる
↓
ストレスで、精神的トラブルを抱える
↓
判断力が鈍り、さらに自分や他人を責め過ぎるようになる
という悪循環から抜け出すために認知行動療法や対人関係療法はあるのですが、
今回は、そのエッセンスを良い感じの文字数で紹介したいと思います。
1. 認知行動療法について
認知行動療法とは、ストレスの原因となっている「考え方のクセ」を可能なかぎり修正していく精神療法です。
「性格」ではなく「考え方のクセ」を修正することに注意しましょう。
1-1. 性格か?考え方のクセか?
両者の違いは、
- 【性格】
生まれもった資質や様々な環境要因によって作られたもので、ほぼ修正不可能 - 【考え方のクセ】
つらいことが起こった時に、嫌な気持ちを引きずらせる思考パターン
そして、認知行動療法はこの「考え方のクセ」をあの手この手で修正しようとする治療法なのですが、
今回は「性格」の話をもっとしましょう。
1-2. 私たちが責めるのは性格
例えば、
- あの上司は性格が悪いから批判ばかりしてくる
- あの上司は責任ある立場だから批判ばかりしてくる
1の方は、もはや解決不能な問題のように思えないでしょうか。
さらに言えば、私たちは、
- 【好きな相手が不機嫌だった時】
→何かあったんだろーな(´-ω-`) - 【嫌いな相手が〃】
→あいつは性格が終わっているから不機嫌なんだ (・д・)チッ
と思う傾向があります。
「性格」に問題があると思うと、解決不可能な問題に思えて、どんどん嫌いになって行って、非難することが多くなります。
よって、自分に対しても他人に対しても、「性格に問題がある」と思わないようにしましょう。
2. 対人関係療法について
対人関係療法とは、心の支えとなってくれる、現在の「重要な他者」との関係を良好にすることによって、精神を安定化させる精神療法です。
2-1. 重要な他者とは
「重要な他者」は、配偶者だったり、親だったり、恋人だったり、友人だったりするのですが、
「現在、重要に思っている」ということがポイントです。
2-2. 過去は変えられない
これは過去に目が行かないようにするための工夫でもあります。
一方、精神分析系の心理学(特に愛着理論)では、
- 人間は過去の出来事にしばられる
- 幼児期の親子関係で全ての人間関係は決まる
というような考え方をします。
ですが、過去はもはや変更できないので、
特に毒親から育てられた人は「自分は一生不幸なんじゃないのか?」という気さえしてくるかもしれません。
しかし、対人関係療法は「現在の重要な他者」との現在のコミュニケーションに関心を集中させることで、自分に対し悲観的になり過ぎないようにするわけですね。
3. 最後に
要するに
「性格」や「過去」などの変えられないものを問題視するのは良くない
ということです。
変えられないものを問題視してしまうと、改善のための建設的な手を打てなくなり、怒りや悲しみをぶつけるしかなくなってしまいます。
それはダメなんだな( ̄ω ̄)
・・・と山下清口調で結論を下したところで、今回は終わりにしたいと思います。